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政府、社会保障改革のプログラム法案骨子を閣議決定

2013年8月21日


国民会議画像.jpgプログラム法案の元になった報告書を議論した国民会議
政府は21日、社会保障制度の改革を議論してきた「国民会議」がまとめた報告書を実行に移す工程を盛り込んだ「プログラム法案」の骨子を閣議決定した。医療・介護の改革は、来年度から2017年度までの間に段階的に進めていく方針を明記。サービス提供体制の効率化や介護保険制度の見直しに向けた法案を来年の通常国会、医療保険制度の改革に向けた法案を2015年の通常国会に提出するスケジュールを描いた。



社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」の骨子LinkIcon資料はこちら(PDF)



政府は、10月に召集する臨時国会の冒頭に「プログラム法案」を提出する。田村憲久厚生労働相は21日の閣議の後の会見で、「この骨子を踏まえて医療・介護をはじめとする社会保障制度の改革にしっかりと取り組んでいく」と述べた。


骨子に盛り込まれた施策は、「国民会議」が8月5日にまとめた報告書の内容を反映させたもの。将来世代への「ツケ回し」をやめ、各制度の持続性を高めていくため、負担を「能力別」にして給付を効率化し、若い世代も含めた「全世代型」に転換していくことが眼目だ。


医療保険制度では、国民健康保険の運営を都道府県に移行することや、70歳から74歳の窓口負担を2割に戻すこと、いわゆる「総報酬割」を全面的に導入することなどが含まれている。介護保険制度では、要支援者向けのサービスを地域支援事業に移すこと、一定の所得がある高齢者の利用料を引き上げること、特養の入所者を中・重度者に絞っていくことなどが入った。サービス提供体制の効率化に向けては、病床の機能を報告する制度の創設や「地域医療ビジョン」の策定、医療と介護の連携などを進める方針を改めて打ち出している。


今後の焦点は、こうした改革を骨抜きにせずに実現していけるかどうかに移る。国民の新たな負担が必要になる改革は、法改正など今後のプロセスで強い抵抗にあうと予想され、政府・与党の覚悟とリーダーシップが問われていく。


プログラム法案のスケジュールを踏まえると、介護保険制度の改革は今年の年末にかけて議論が最大の山場を迎える。医療保険制度の改革は、法案の提出を控えた来年の年末に向けて論争が加熱していきそうだ。サービス提供体制の改革では、複雑に絡み合う医療・介護関係者の利害をうまく調整し、それぞれが足並みを揃えて協力し合う体制をつくれるかどうかが課題になる。




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