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厚労省の概算要求、社会保障費増で30兆円を突破

2013年8月27日


自民、厚生労働部会.jpg27日に開催された自民党の厚生労働部会
厚生労働省は27日、2014年度予算の概算要求を自民党の厚生労働部会に提示し、大筋で了承を得た。一般会計総額は、今年度より1兆1299億円(3.8%)多い30兆5620億円で過去最高を更新。いわゆる「自然増」がそのまま認められた社会保障費は、同9732億円(3.5%)増の29兆1235億円まで膨らんだ。


平成26年度厚生労働省所管概算要求関係LinkIcon資料はこちら



成長戦略や地域活性化などに投資する特別枠として設けられた「新しい日本のための優先課題推進枠」では、総額で1617億円を要求。「良質な医療・介護へのアクセスの確保」との名目で274億円を計上し、搬送先が決まらない救急患者を減らすための医療機関への支援や「ドクターヘリ」の運行体制の拡充、より良い介護サービスを選択できるようにするシステムの構築などを盛り込んだ。


年末の予算編成過程で検討する「事項要求」には、① 診療報酬の改定 ② 「マイナンバー」の導入に伴うシステムの改修 ③ 地域医療再生に向けた基金 ④ 介護施設の整備に使う基金 ⑤ 低所得者の医療費負担軽減 ー などにかかる予算を位置づけた。⑤ 低所得者の医療費負担軽減は、70歳から74歳の窓口負担の引き上げとともに検討を進める。


厚労省の会計課によると、29兆1235億円まで膨らんだ社会保障費の内訳は、年金が2.9%増の10兆7326億円、医療が3.4%増の10兆8710億円、介護が5.9%増の2兆6386億円、福祉等が3.6%増の4兆8812億円。9732億円の自然増を分野ごとにみると、医療が3535億円、介護が1470億円などとなっていた。


「新しい日本のための優先課題推進枠」では、「日本版NIH」の創設など革新的な医療技術の活用を進めるための予算として、151億円を要求。経済成長の牽引役として期待のかかる再生医療の実用化をはじめ、医療関連産業の活性化に投じる予算としても100億円を計上している。また、レセプトや検診情報を活かした「データヘルス」の推進など、疾病の予防や健康管理を後押ししていく費用として214億円を求めた。


政府が今月8日に閣議決定した概算要求基準では、約1兆円にのぼる社会保障費の自然増をそのまま認めた一方で、公共事業などの政策にあてる「裁量的経費」について、各府省一律で今年度から10%削減するよう求めていた。厚労省の会計課は「裁量的経費」の10%カットについて、「多くの予算を削らないとできないので、いわゆるムダの削減を徹底的に行ったつもり。一般会計で大きく切り込んだ分、特別枠に計上して復活を目指している予算もある」などと説明している。





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