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都市部の高齢化対策で提言、特養の整備手法を改善へ

2013年8月27日


都市部高齢化.jpg27日に開催された厚労省の有識者会議
厚生労働省は27日、これから急速に進んでいく都市部の高齢化への対策を協議している有識者検討会の会合を開き、9月にもまとめる報告書の要点を盛り込んだタタキ台を提示した。


提案されている内容は多岐にわたる。都市部特有の課題や弱み・強みを改めて検証したうえで、空き家の活用やコミュニティビジネスの普及、在宅サービスの充実、自治体の課題、住まいの新たな展開、施設の整備手法の改善など、様々な角度から多くのアイディアや施策が盛り込まれている。



第4回都市部の高齢化対策に関する検討会資料LinkIcon資料はこちら



日本の高齢化は既に世界一で、これまでも我々の社会に大きな影響を与えてきた。だが、これから都市部で進んでいく高齢化は、これまでよりもずっと大きなインパクトを持つ。施策を総合的に展開しなければ対応できないのは明らかで、タタキ台に含まれる提案はどれも欠かせない重要なものだ。ここではそのうち、主に2つのことを取り上げようと思う。1つはサービス付高齢者向け住宅について、もう1つは特別養護老人ホームについてだ。


= 自治体から費用負担で懸念の声 =


介護保険や国民健康保険には、「住所地特例」という制度がある。病気やけが、加齢などでからだが弱った人が、それまで住んでいた市町村とは別の地域にある施設に入所した場合、もともと住んでいた市町村が引き続き保険者となって費用を負担する仕組みだ。施設を多く抱える市町村の負担が重くならないようにする配慮で、介護保険では有料老人ホームが対象になっている。


厚労省は27日に提示したタタキ台のなかで、全国的に整備が進んでいるサ高住にも、「住所地特例」を新たに適用することを提案した。実態として有料老人ホームに該当するサ高住が多く、それぞれの入居者のニーズが似通っていることに加え、サ高住の整備が急ピッチで進んでいる都市部近郊の自治体などから、保険財政への負荷を危惧する声が寄せられていることを踏まえた。


ただし、この日の有識者会議では、サ高住に「住所地特例」を適用することについて、「自治体間で財政調整すれば済む」といった異論も出た。厚労省は、9月20日に開催する次回の会合で報告書の案を提示する考えで、これから最終的な決定に向けた調整を進める。


= 圏域を超えたニーズ調整が可能に =


特養についての提案は、これから整備する施設の数を考える手法の話だ。対象は、主に東京都になる。平たく言うと、今よりも広い地域を視野に整備数を調整できるようにしようというものだが、まずは制度の仕組みから話を進めていくことにしたい。




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