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市町村の事業計画に2025年の推計記載を、厚労省提案

2013年8月28日


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厚生労働省は28日の社会保障審議会・介護保険部会で、市町村が2015年度からの3年間を見据えて作成する次期介護保険事業計画に、2025年を見据えたサービスの提供体制や給付・保険料の水準を推計して記載させることを提案した。そのほか、在宅医療拠点の機能や認知症への早期対応といった地域包括ケアシステムを構成する各要素について、段階的な充実のための施策も含めてより具体的に記載させることも提言した。



第46回社会保障審議会介護保険部会資料LinkIcon資料はこちら



介護保険事業計画は、介護保険の給付を円滑に実施するため、保険者である市町村が3年を1期としてサービス量の見込みやサービス運営に必要な定員数を年度ごとにまとめるもの。市町村はこれをもとに介護保険料の設定などを行う。


2012年度からの第5期事業計画では、地域の課題やニーズを的確に把握する「日常生活圏域ニーズ調査」を約8割の自治体が実施。その結果を踏まえて、認知症支援策の充実や医療と介護の連携、見守りや配食など、地域包括ケアシステムの実現に必要な項目が新たに記載された。


今回の会合で提案されたのは、こうした取り組みの延長として、2015年度からの第6期事業計画に、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据えたサービスの提供体制や給付費・保険料の推計を加えること。厚労省はさらに、在宅医療・介護の取り組みを本格化させるため、在宅医療連携拠点の機能や認知症への早期対応などに関して、当面の方策と段階的に必要な施策を分けて具体的に記載することなども求めている。


= 市町村の負担を懸念する声 =


厚労省の提案に対し、会合では委員から、市町村の負担の増大を不安視する声が相次いだ。香川県高松市長を務める大西秀人委員は、現在から2025年を見据えた動きを考えることついて前向きな姿勢を示したものの、「(提言された内容について)全ての市町村でできるのか不安がある」と懸念を表明。医療法人真正会理事長の齋藤正身委員は、「サービスの必要量は掴みにくく、どうやって整理していくかが重要。市町村に課せられたテーマは大きい」と指摘した。


淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博委員は、今回の改革には市町村の事業計画の作成能力が問われるとしたうえで、4~5年おきに移動する公務員には一部を除いて介護現場を熟知している人が少ないと説明。「(今後は)市町村の現場を見据えた議論をしてほしい」と要請した。





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